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2025/07/15 07:42
アートビズが注目するアート情報。
今週は、大阪府大阪市のICHION CONTEMPORARYで開催される、守谷史男の個展「Shangri-La ー理想郷を求めてー」についてお伝えします。
会期は、2025年7⽉15⽇(⽕)から8⽉30⽇(⼟)まで。
詳細についてお伝えしましょう。

守⾕史男について

守⾕史男は、1938年愛媛⽣まれの芸術家。
⾏動美術協会会員、元⼤阪芸術⼤学教授、現代美術グループ「Ge」の主要メンバーとして、関⻄の前衛美術と美術教育に⼤きく貢献しました。
⽇本の戦後美術において、守⾕は関⻄前衛美術の系譜における「物質・⾏為・記憶の美学」を体現し、静謐でありながら緊張感に満ちた表現で独⾃の地平を切り拓いています。
その仕事は、地域の前衛表現の枠を超え、戦後⽇本美術の多様な在り⽅を⽰す重要な証⾔ともなっています。
個展について

シャングリラ、それは、雪深いはるか彼⽅の⼭の奥に隠され、⼈の⼼の奥底にだけ存在し続ける理想郷の名。
ジェームズ・ヒルトンの⼩説『失われた地平線』(1933年)に描かれたこの地は、永遠の静寂と調和に包まれ、決して到達することのできない幻想の地として語り継がれてきました。
そして、守⾕史男は誰も⾒たことのない「⼼の中の理想郷」に向け、半世紀以上にわたりひたむきに歩み続けてきた人物。
1960 年代には〈⼈体〉を主題、1975年には渡⽶を契機に、その眼差しは絵画の根源的な構成要素である「線」「⾯」「⾊⾯」へと向かいます。
さらに、80年代以降、スクラッチ技法で絵具層を削り出し、線の反復や集積によって時間や記憶の痕跡を刻む《作品》や《跡》シリーズを展開。
秩序とわずかなズレが静かなリズムを⽣む《列》、古代の円墳や霊廟の建築的記憶を幾何学的形態に昇華した《廟》シリーズへとその探求は広がっていきました。
守⾕の作品には⼀貫して「物質と⾏為」「記憶と時間」「構築と痕跡」が交錯し、その探究の歩みは、到達することのない理想郷に向かって続く果てなき旅そのもの。
本展では守⾕が⽣涯をかけて追い続けた「Shangri-La」の輪郭を、具象から抽象までの主要作品を通じて辿る試み。
⾒る者の⼼にひそむ理想郷が、守⾕の作品の前でそっと輪郭を現すことを願ってやみません。
参考
【展覧会概要】
タイトル:「Shangri-La ー理想郷を求めてー」
出展作家:守谷史男
場所 :ICHION CONTEMPORARY 〒530-0055 大阪府大阪市北区野崎町9−7
期間 :2025年7⽉15⽇(⽕)〜 8⽉30⽇(⼟)
開館時間:11:00~18:00
※最終⼊場 17:30
※最終⽇のみ16:30最終⼊場、17:00退館
休館日 :日・月・祝日
予約:事前予約不要
※10名様以上でのご来場を予定されている場合は、必ず事前にお電話またはメールにてご予約をお願いいたします。ご予約のない場合は、当⽇のご⼊場をお断りいたしますので、あらかじめご了承ください。